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愈々庵気まぐれ日記

愈々庵気まぐれ日記

真夜中のポーツマス

真夜中のポーツマス


1965年アメリカでの最初の夏休み、運転免許を取ってすぐ
カナダへ2週間のキャンプ旅行に出かけた。

ナイアガラから東へ向かいプリンスエドワードまで行き、
ボストンの我が家まであと一時間半、夜中だが一気に帰宅していた。
所はニュウハンプシャイヤー州ポーツマス(世界史ではポーツマス
条約で習う)の高速料金所金を払ったところでエンスト。
サンダーバード(5000cc)エンジンを積んだフォード大型車を
4人がかりで押してやっとわきえ寄せた。

仕方なくタクシーを呼んでホテルへ連れて行ってもらった。
小さな町でホテルと言うより宿場といった感じで、
大きなジャズレコード(テープやCDではない)の音と、
受付も含めて辺りは色の黒い酔っ払いしか居ない環境。
2階の客室まで下のわめき声筒抜けだ、
しかも部屋はエヤコンなど無い蒸し風呂の中だ。
妻と二人、怖くて眠るどころではなかった。

翌日修理工場へ、20分くらいで燃料ポンプを取り替えて
もらってあっという間に帰宅できた。

今でもあの真夜中の宿場兼酒場の鍵もかからない部屋での
一夜を思い出すとぞっとする。


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